こんな夜中に一体誰だろう?来客があるとすれば幽か?
と思いながら平和島静雄は部屋のドアを開けた。
「どちらさま?」
露骨に眉間にシワを寄せながら玄関のドアの前に立っている知らない男に尋ねた。
その男は静雄と年齢はそれほど違わないと思われるが体は華奢で背はスラッと静雄よりも少し大きい。顔はどちらかと言えばあっさりした感じのまぁ2枚目である。
そして片腕と頭に包帯を巻いている。
そして顔もあちこちが傷だらけだった。
男はニヤリと顔を歪ませて笑うとそのまま強引にドアの中に入ってきた。
「ちょっと、おめぇ・・・」
ただならぬ雰囲気を感じたがまだ何もしていない相手を殴るほど静雄も凶暴ではない。
「はじめまして、いやそうじゃなかった。あなたには色々とお世話になりまして」
と怪我をしている手の人差し指でやや痩けている頬をかいた。
静雄は怪訝そうに男の顔を見つめていた。
「へっへっへ・・・ちょっと上がらせてもらうよ」
へらへらと笑いながら男は静雄の横をひょいとすり抜けて部屋の中へ上がり込んだ。
「おいっ!警察呼ぶぞこらぁ!」
知り合いでもない男に勝手に上がり込まれた静雄は男を威嚇するが、全く効き目がなかった。こいつ・・俺のこと知っててここへ来たのか?
ただ単に奇妙な行動に静雄は呆れながら見つめていた。
「お前誰だって顔してるね、俺はお前のことをよく知ってるし、この怪我も全部お前のせいだよ」
突然そんなことを言い出した。
静雄は少しだけ考えて街で暴れたときに巻沿いをくった人が慰謝料でも請求しにここへやってきたのだろうか?と考えた。
「そりゃあ悪かったな。けど金なら今ここにはねぇから・・・病院代とか領収書を持ってきてくれれば払うから後でここを尋ねてくれ」
と静雄は自分の勤めている会社の名刺を取り出した。
ところが男はそれを受け取らない。
「別に金が欲しい訳じゃないよ。金なんか持ってたって使い道ねぇし」
と腕を組んだ。
本当に訳がわからない。
<続く>
読了、お疲れさまでした。
web拍手をありがとうございました。
突然新シリーズ始まりました。
急に思いついて書きたくなりました。
これオフ本にしようかな?ニッチすぎてニーズないか・・・
萌えるvvvvvvv[18回]
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